Archive for 8月, 2010
下北沢駅
土曜日, 8月 14th, 2010小田急線は路線の地下化や新駅舎などの動きが、大分前から継続しています。
下北沢駅もその一つ。
写真は工事中の小田原方面のホームの様子ですが、何か惹かれる物を感じました。
これだけの数の立派な鉄骨が林立する様は、日常ではあまり目にしません。
鉄骨が作り出すリズムがホームの長さを強調し、普段あまり気にしていない事をあらためて意識させられます。
ヨーロッパの石造りの回廊や列柱を連想される方もいるのではないでしょうか。
林立する錆付いた鉄骨に上から光りが降り注ぐその様は、魅力的ですらあります。
錆も、鉄が鉄である事の生々しさを感じさせてくれます。
腐食というイメージよりもむしろ力強さを感じるのは、余計な装飾の無い素材自体の持つ力なのかもしれません。
これが建築構造用だと表面を化粧したり、保護する必要性が出てきてしまいます。
ポイントは耐用年数をどれだけ必要とされるかですね。
仮設的なものと長期的なものとでは前提が変わってしまいます。
鉄板錆仕上げの建築はすでに存在しますが、構造自体が完全むき出しで錆仕上げというのは、耐久性や防火性の問題でなかなか難しい。
でも、いつか挑戦してみたいイメージの一つです。
とある風景
木曜日, 8月 12th, 2010これは三鷹天命反転住宅。
万人に無難な一般解を求めるのではなく、住まい手によって暮らし方を見つけて欲しいという、ある意味「くせ」が強いとも言える住宅です。
2005年の完成当時話題になりましたし、知っている人も多いと思います。
でも、この建物がどのようなシチュエーションの中に建っているか、皆さん知ってますか?
正面奥が天命反転住宅です。
実は、道路を挟んだ対面はハウスメーカーの住宅展示場。
狙ってか狙わずか、モデルルームが規則正しく並ぶその真っ正面に建つ、
芸術作品的要素の強い建築。
効率化の上に成り立つ優等生の住宅と、個性が強く住まい手に挑戦的な住宅。
目指す所はおそらく一緒なのに、まったく異なる存在。
僕にはシュールな風景に感じました。
天命反転住宅は、賃貸住宅としてだけでなく見学会やアートイベント等も実施されているので、内部見学も可能です。