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実家

水曜日, 1月 27th, 2010

これは実家。

・・・とは言っても、隣町に暮らしていた自分にとっては「祖父母の家」で、
昔は遊びに行くという感覚でした。
山の中腹に建ち、線路から見上げると大きな屋根が印象的。

父いわく、築190年〜200年の建物らしい。
トタンの下には茅葺き屋根が残っているとの事。
元々農家だった家を祖父母が購入し、改修した物が現在の姿という事です。

表にある便所

広い縁側

大学時代のワンルームより広い玄関土間や高い敷居

奥に行くにしたがって格式が上がる畳の間や居間の掘りごたつ

改修したとは言っても、基本的には農家の名残が色濃く残っています。
そんな中でも最も印象に残っているのが天井です。

古びた木の天井は経年変化で黒ずみ
その高さと相まって独特の奥行きを持っていました。

夜布団に入ると、昼間以上に天井が遠くにあるように感じ
闇の向こうにうっすらと見える天井の木目をじっと見ていると、
今にも動き出しそうで。

子供だった自分には、引きづり込まれるような
何とも言えない怖さがあったのを覚えています。

昨年のお盆に、もう祖父母のいない実家にふと立ち寄りました。

改めて見ると建物としての魅力とか迫力を感じます。
でも、観光で古民家とかを見る時とは違って
今でもそこには祖父母と自分がいて、建物を生活シーンの一部として感じられる。

これってちょっとすごい事なのかもなと思いました。
自分の思い出なんて、190歳の建物に刻まれた時間に比べたらほんのちょっと。
でもそのほんのちょっとが実は大事なのかもしれない。

築190年だからではなくて
生活シーンの延長上で、生きて使える居場所として
もう少しだけ長生きして欲しいなと、あれやこれや妄想しています。