Archive for 9月, 2010

木曜日, 9月 16th, 2010

8月21、22日の土日は三鷹阿波おどりが開催されました。
南口駅前商店街を、地元三鷹や高円寺、国分寺などから参加している
様々な「連」が踊り歩きます。
この行事も今年で42周年だそうです。

商店街は人、人、人で、ちょっとよそ見しているとぶつかってしまうほど。
普段は地元民が多く、駅前でジブリ美術館の観光客等を見る程度ですが、
この日の商店街はいつになく賑わい、盛り上がりを見せます。

ヒューマンスケールの程良い広さの通りは舞台と化し、
祭りの熱気をぎゅっと凝縮し、
踊り手とそれを観て楽しむ人たちとの一体感を生んでいるように感じます。

男踊りや太鼓の方達は力強く迫力たっぷり。
太鼓のリズム、衣装等は連によって違うため、自分のお気に入りを探すのも面白いかもしれません。

女踊りの方々は足のステップが特徴的で面白いです。
足下を見ると、踊りの最中ずっとつま先に体重をかけており、
下駄の前歯をうまく使って、後歯(かかと)を一度も地面に付けません。
独特のコツがありそうで、見た目以上にハードそうです。

阿波踊りを観ていると、路面はやっぱり石畳等の表情がある物の方が良いですね。
無機質なアスファルトの上とは違い、鮮やかな着物も映えていました。

「町の活気」とは、「通りの活気」と言い換える事ができると思います。
街路のあり方については、これまでもラドバーンやボンエルフ等、
歩車分離、歩車共存の問題とからめ、議論され続けて来た事です。

「人間のための街路」(1973年/バーナード・ルドフスキー著)では、
アメリカとヨーロッパの街路の違いを比較しながら、自動車のためではなく
私たちの生活の場の一部としての通りのあり方を提言しています。

ルドフスキーはフィッチの言葉を引用し、イタリアの街路は
「地球上のどの空間におけるよりも素晴らしい抱擁と包囲の体験」
を与えてくれるものだと述べています。

また「街路とはエリアではなくボリューム」であり、
「摩天楼と空地では都市はできない」とも言っています。
この感覚は、魅力ある街づくりにおいて非常に重要なものだと思います。

例えば下北沢駅前、吉祥寺ハーモニカ横町、上野アメヤ横町、築地市場等
魅力ある商店街には、やはりこの「抱擁と包囲の体験」があります。

自動車ではなく人間のための街路とは?という感覚を常に持っていたいものです。