あたたかい冬の一幕
とある山中の闇の中
しばらく車を走らせると突然浮かび上がる光の風景。
テーマパークと見紛いますが、これはある一軒家での冬のワンシーンです。
小高い位置に家があり、庭・斜面も含めて装飾されているため
外灯の少なさも相まって、遠くから見ても綺麗です。
このイルミネーションは、個人宅で行われているクリスマスイベントなのですが
1月始めまで展示しているため、お正月でも見ることができます。
屋外の庭だけでなく、家の座敷も展示スペースになっており
東京スカイツリーの横を電飾の汽車が汽笛を鳴らして走るなど
遊園地のような楽しい演出もあります。
・・・何かが多い気がしますがそこは愛嬌。
まわりに何もない山中の民家で
なぜこのようなイルミネーションが?
きっかけは十数年前、ここに暮らしていた高齢のお母様へのプレゼントとして
ご子息が小さなクリスマスツリーを作ったのが始まりだったそうです。
やってみるとお母様は大変喜んでくれたため、もっと喜ばせたい、喜ばせたいと
その飾り付けは毎年大きく華やかになって行ったとの事。
今ではこの家だけでなく
他の家も同じ時期に飾り付けを行い
町を挙げての冬の一大イベントにまでなっています。
(写真にはない付近の商店街も飾り付けされています)
多いときは一日で数千人集まるそうで
この日も、用意された駐車場に車を駐めるまで大分待ちました。
お母様が亡くなられた今も
噂を聞きこれを見に集まる沢山の人々のために
入場料を取るわけでもなく、ただただ喜んで帰ってくれる人のために
御夫婦で毎年準備してくれています。
人を喜ばせたいという、あたたかいおもてなしの心は
敷地内をはしゃいで走っている子供たちにも伝わっているように思えました。