三鷹
私たちの事務所は三鷹にあります。
三鷹と言えば、皆さん何を思い浮かべるんでしょうね。
ジブリ美術館、井の頭公園、玉川上水、太宰治、山本有三、三木露風・・・
駅前商店街は、ここ数年の高層マンション建設ラッシュもあって
けっこうな数の中・高層ビルが林立しています。
でも、高層部分のセットバックなどのおかげで
通りを歩いていてもその高さや圧迫感をあまり感じません。
安心感というか、昔ながらの商店街の雰囲気をなんとなく感じます。
「街並みの美学」(著・芦原義信)によれば、道幅と建物高さの比率、
道幅と建物高さの大きさ自体が、空間の質を左右すると言います。
三鷹駅前商店街は、道幅/低層部の建物高さ≒1に近いと思います。
この比率は、狭すぎず、広すぎずの快い広さとの事。
(京都の伝統的町家とおもての関係も6.5m/5m=1.3だそうです。)
広すぎない石畳道路もあって、程良く囲われた場を生んでいるのかもしれません。
井の頭公園、ジブリ美術館に向かう玉川上水沿いの通りは
春は桜並木が綺麗で、歩いているだけで心が晴れます。
「風の散歩道」という名前のとおり
天気の良い日は、自転車に乗って井の頭公園までサイクリングも気持ちいい。
駅からジブリ美術館まで歩くと20分ほどかかるのですが、
この玉川上水が気持ち良いので、歩いて向かう人も多く見かけます。
電車好きには有名なスポット、三鷹電車庫跨線橋。
電車庫の引込線と線路をまたぐこの鉄骨橋は、全長90メートルもあります。
太宰治は、「いい所がある」と、お弟子さんを連れてよく来ていたそうです。
休日には、お孫さんを連れた方や親子をよく見かけます。
「あ、ちゅうおうせんきた!」「そうぶせんきたよ!」「かいじだ!」。
・・・みんな良く知ってますね。すごく楽しそうです。
でも、ここは子供だけでなく大人も楽しめると思います。
電車を真っ正面から見ることができるだけでなく、距離が近い。
そして、電車の振動で揺れる昭和4年完成の鉄骨橋。何とも言えない臨場感。。
まるで、自分の足元すぐ下を通り抜けるような感覚です。
私も久々に童心に帰って、大人げなくフェンスにへばりついてしまいました。
ずっと、車庫に並ぶ車両や通過する列車、背後に広がる街並みを眺めていても
飽きる事のない、ゆったりとした時間が流れる不思議な場所です。
この橋から、太宰が眺めた武蔵野の夕陽を見るのもまた一興。