雪景色
もう花見の時期ですね。
これは日本三大桜の一つ、「三春滝桜(種:ベニシダレザクラ)」の夏の姿。
花満開の写真はどこかで目にされている方も多いかもしれません。
花が流れ落ちる滝のように咲く様からこの名前がついたそうです。
根回り約10mの立派な幹と東西25mにも及ぶ覆い被さるような枝。
樹齢1000年以上と言われるその様は貫禄充分。
支柱が無いと折れてしまうほど大きく広がった枝の下から見上げると
自分の存在が小さく感じられるほど圧倒されます。
ちなみに赤坂サカスの中心にある紅枝垂は子孫樹(100歳)だそうです。
今年は滝桜の春が見られるだろうかと思いつつ、去年の冬の姿を少し。
「もう春なのに桜の雪景色?」と言われそうですが。
春満開の姿はもちろん見事なのですが、実は冬も美しい。
人、人で大変な春とは違い、観光客は誰もいません。
その姿は、周囲の静けさと相まって幻想的ですらあり、まるで水墨画のよう。
「しんしんと降る」とは良く言ったものだと思います。
雪を踏みしめる自分の足音しか聞こえません。
田舎の雪景色は好きです。
路面が凍って運転が怖かったり、積もれば雪かきが必要だったりしますが。
雪は余計な雑音を消してくれます。
トタンや瓦、アスファルトの道路は、色も素材も隠されて形だけが残り
昔の街並みに少しだけタイムスリップしたような感じがします。
最近は減ってきましたが、元々雪国の民家は勾配がきつく大屋根でした。
家=屋根のような印象は、まさにブルーノタウトが描いたスケッチの世界。
そして、雪をまとった真っ白い大屋根は美しく、とても素敵です。
冬は屋根の存在が強調され、建物の重心の低さをより強く感じさせてくれます。
惚れてしまいそう。。
大地に根を下ろすようなどっしりとした存在感は
もしかしたら滝桜の魅力と通じる所があるのかもしれません。
花をまとった滝桜も感動的。
滝桜の見頃は4月中旬~下旬です。