御会式

10月17日、私共で設計させていただいた雑司が谷のお家にお邪魔しました。
この日は伝統行事の鬼子母神御会式が行われる三日間の中日。

参道には出店が建ち並び、普段の物静かなケヤキ並木の印象とは
ガラッと違う表情を見せてくれます。

太鼓の音色にのって万灯とまといが人混みをかき分け、
その身を揺らしながら闊歩する様は迫力があります。

三鷹阿波踊りでは各団体を「連」と呼びましたが、
雑司が谷御会式は「講」で、それぞれに万灯とまといを持って行列します。

鬼子母神に到着した万灯。
写真の万灯がぶれているのは、持つ人が絶えず揺らし続けているからです。
人で埋め尽くされた中を激しく、躍動感たっぷりに動き続けます。

万灯はかなりの高さがあり、前を行く人が棒を持って、
邪魔にならないよう、参道の電線を押し上げながら進むほど。

各講毎に一本の万灯を交代で受け渡しながら、一人ずつ持ちます。
結構重いようで、バトンタッチの際に倒しそうになる一幕も。

上手い方は手の腹に載せて片手で持ち上げ、バランスを取ります。
技を見せ合い盛り上がる、これぞ祭りという感じで良いですね。

雑司が谷のお家もこの日は御会式仕様。
玄関物置の木格子戸に提灯をぶら下げ、お洒落でとても良い雰囲気でした。
(歩みを止める方や、写真を撮られる方も)
すっかりご自分たちのお家として住みこなしているなあ、と感じたワンショット。

上からの眺めは、この通り沿いに暮らす人たちの特権ですね。
お祭りから帰ってこられた施主御夫婦と一緒に畳間に座って、
通りの賑わいとの近さを楽しみながらお酒とおつまみをいただきました。

地窓越しに

「みんな向こうで飲みますよ」

「うちもあとで合流します」

なんてやり取りも。
隣に住んでいる人が誰だか分からない事も多い東京にあって、ここは
通りの入口まで来ると「ただいま」という感覚になれる場所かもしれません。

御会式を眼下にいただくお酒は、より一層美味しく感じました。
ご実家お手製の漬け物も、塩加減が絶妙で本当に美味しかったです。
素敵なひとときをありがとうございました。

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